ExcelのIF関数を完全解説|条件分岐の基本から実務活用まで

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excel 関数 if

ExcelのIF関数は、「条件によって結果を変える」ための、非常に重要な関数です。点数判定や評価分け、表示内容の切り替えなど、実務でも学習でも登場しない日はないと言っても過言ではありません。

一方で、「構文は知っているけれど使いこなせない」「条件が増えた瞬間に分からなくなる」と感じている方も多いのではないでしょうか。IF関数は、暗記しようとすると一気に難しく感じてしまう関数でもあります。

この記事では、IF関数を数式としてではなく、文章として理解することを軸に、基本構文から複数条件、入れ子、実務での具体例、つまずきやすいポイントまでを体系的に解説します。読み終えるころには、IF関数に対する苦手意識がきっと薄れているはずですよ。

ExcelのIF関数とは?まず押さえる基本の考え方

ExcelのIF関数は、「条件によって結果を変える」ための関数です。 数字の計算が得意なExcelですが、判断や分岐をさせたいときに欠かせないのが、このIF関数なんですね。

たとえば、「点数が60点以上なら合格、それ以外は不合格」「金額が1万円を超えたら割引を適用する」といった処理は、すべてIF関数で実現できます。

最初は少し難しく感じるかもしれませんが、考え方さえつかめば、IF関数はExcelの中でも最も実用性が高い関数の一つです。

IF関数でできること(条件分岐の役割)

IF関数の役割を一言で表すと、次のようになります。

「もし○○なら△△、そうでなければ□□」

Excelでは、この判断をセルの中で自動的に行ってくれます。

たとえば、セルA1の点数によって表示を変えたい場合、IF関数を使えば、合格・不合格を自動で判定できます。

このようにIF関数を使うことで、

  • 判定結果を自動表示できる
  • 条件に応じて表示内容を切り替えられる
  • 人の判断をExcelに任せられる

といったメリットがあります。

「条件」「真」「偽」を日本語で理解する

IF関数が分かりにくく感じる最大の理由は、数式として見てしまうことです。

まずは、日本語として理解するのがおすすめですよ。

IF関数は、次の3つの要素で成り立っています。

  • 条件(何を判定するか)
  • 真の場合(条件が成り立ったとき)
  • 偽の場合(条件が成り立たなかったとき)

これを日本語にすると、

「もし【条件】なら【真の場合】、そうでなければ【偽の場合】」

という形になります。

この文章を頭の中で組み立ててから数式に落とし込むと、IF関数は一気に理解しやすくなります。

次の章では、この考え方をもとに、IF関数の基本構文と正しい書き方を具体的に見ていきましょう。

IF関数の基本構文と正しい書き方

ここからは、IF関数を実際に使うために欠かせない基本構文と書き方を整理します。

最初に全体像を理解してから、1つずつ分解して見ていくと、混乱しにくいですよ。

IF関数の基本構文

IF関数の基本構文は、次の形です。

IF(論理式, 真の場合, 偽の場合)

一見すると難しそうですが、先ほど確認した日本語の文章に当てはめると、意味がはっきりします。

「もし【論理式】が成り立てば【真の場合】、成り立たなければ【偽の場合】」

たとえば、セルA1の数値が60以上かどうかを判定する場合、次のように書けます。

=IF(A1>=60,"合格","不合格")

この式は、「A1が60以上なら『合格』、そうでなければ『不合格』を表示する」という意味になります。

TRUE・FALSEの意味と判定の仕組み

IF関数の中で使われる論理式は、必ず次のどちらかの結果になります。

  • TRUE(真)
  • FALSE(偽)

たとえば、次の条件を考えてみましょう。

A1>=60

この条件は、A1の値が60以上であればTRUE、そうでなければFALSEになります。

IF関数は、このTRUE・FALSEの結果をもとに、「真の場合」か「偽の場合」のどちらを返すかを決めているだけなんですね。

まずは、「条件は必ずTRUEかFALSEになる」という点を押さえておくことが大切です。

比較演算子(=・>・<・>=・<=・<>)の使い方

IF関数の論理式では、比較演算子を使って条件を指定します。

主に使われる比較演算子は、次のとおりです。

  • =(等しい)
  • >(より大きい)
  • <(より小さい)
  • >=(以上)
  • <=(以下)
  • <>(等しくない)

たとえば、「A1が100ではない場合」を判定したい場合は、次のように書けます。

=IF(A1<>100,"対象","対象外")

このように、条件部分では比較演算子を使って明確に判定基準を示すことが重要です。

次の章では、IF関数を使った具体的な基本例をいくつか見ながら、実際の使い方に慣れていきましょう。

まず覚えたいIF関数の基本例

IF関数は、構文や仕組みを理解したあとに、具体例で慣れることがとても重要です。

ここでは、初心者の方が最初に覚えておくと実務でも役立つ、代表的なIF関数の例を紹介します。

条件に合えば〇、合わなければ×を表示する

最も基本的な使い方が、条件に応じて「〇」「×」などの記号を表示する方法です。

たとえば、セルA1の値が1以上であれば「〇」、それ以外なら「×」を表示したい場合は、次のように書けます。

=IF(A1>=1,"〇","×")

この形は、出欠管理やチェックリストなどでよく使われます。

条件と表示内容がシンプルなため、IF関数に慣れる最初の一歩として最適です。

数値の大小で判定する例

点数や金額など、数値の大小で判定するケースもIF関数の定番です。

たとえば、セルA1の点数が80点以上なら「A評価」、それ未満なら「B評価」としたい場合は、次のように書けます。

=IF(A1>=80,"A評価","B評価")

このように、比較演算子(>=、< など)と組み合わせることで、柔軟な判定が可能になります。

数値判定では、「以上」「未満」をどう区切るかを事前に決めておくと、条件式がブレにくくなりますよ。

空白かどうかを判定するIF関数

実務では、「セルが入力されているかどうか」を判定したい場面も多くあります。

セルA1が空白かどうかを判定する場合は、次のように書けます。

=IF(A1="","未入力","入力済")

この式は、「A1が空白なら『未入力』、そうでなければ『入力済』を表示する」という意味です。

空白判定は、データチェックや入力漏れ防止に非常に役立ちます。

次の章では、IF関数をさらに発展させた複数条件の判定(AND・OR)について解説していきます。

AND・ORを使った複数条件のIF関数

IF関数に慣れてくると、「条件が1つでは足りない」と感じる場面が出てきます。

たとえば、「点数が60点以上 かつ 出席日数が一定以上」「AまたはBのどちらかに当てはまる場合」など、複数条件で判定したいケースですね。

こうした場合に使うのが、AND関数OR関数です。

AND関数とIF関数の組み合わせ

AND関数は、すべての条件が満たされたときにTRUEを返します。

考え方はシンプルで、

「条件Aも条件Bも満たしているか?」

を判定する関数です。

たとえば、「A1が60以上 かつ B1が80以上なら合格」としたい場合は、次のように書けます。

=IF(AND(A1>=60,B1>=80),"合格","不合格")

この式は、日本語にすると、

「もしA1が60以上で、なおかつB1が80以上なら合格。そうでなければ不合格」

という意味になります。

AND関数は、どれか1つでも条件を満たさないとFALSEになる点が重要です。

OR関数とIF関数の組み合わせ

OR関数は、AND関数とは逆で、いずれか1つでも条件を満たせばTRUEになります。

考え方は、

「条件Aまたは条件Bのどちらかに当てはまるか?」

というイメージです。

たとえば、「A1が90以上 または B1が90以上なら優秀」としたい場合は、次のように書けます。

=IF(OR(A1>=90,B1>=90),"優秀","通常")

どちらか一方でも条件を満たしていれば、「優秀」と判定されます。

複数条件を扱うときの考え方

複数条件のIF関数でつまずきやすい原因は、条件を一度に考えようとすることです。

おすすめなのは、次の順番で整理することです。

  • まず条件を日本語で書き出す
  • 「かつ(AND)」なのか「または(OR)」なのかを決める
  • 1つずつ条件式に落とし込む

この手順を踏めば、式が多少長くなっても、意味を見失いにくくなります。

次の章では、さらに条件が増えた場合に必要になるIF関数の入れ子(ネスト)について解説します。

IF関数の入れ子(ネスト)の基本

IF関数を使っていると、「条件が2つでは足りない」「3段階、4段階で判定したい」と感じることがあります。

こうした場合に登場するのが、IF関数の入れ子(ネスト)です。

ネストIFが必要になるケース

ネストIFとは、IF関数の中に、さらにIF関数を書くことを指します。

たとえば、点数に応じて評価を3段階に分けたい場合を考えてみましょう。

  • 80点以上:A評価
  • 60点以上:B評価
  • それ未満:C評価

この条件をIF関数で表すと、次のようになります。

=IF(A1>=80,"A評価",IF(A1>=60,"B評価","C評価"))

この式は、上から順に条件を判定し、最初に当てはまった結果を返す仕組みになっています。

入れ子構造を読み解くコツ

ネストIFが難しく感じる理由は、カッコの対応関係が見えにくいことにあります。

そんなときは、数式を日本語に分解して考えるのがおすすめです。

「もしA1が80以上ならA評価。そうでなければ、もしA1が60以上ならB評価。そうでなければC評価」

この文章と数式を対応させると、ネスト構造が一気に分かりやすくなります。

また、Excelの数式バーで改行やインデントを使うと、読みやすさが向上します。

ネストIFでつまずきやすいポイント

ネストIFでよくあるミスには、次のようなものがあります。

  • カッコの数が合っていない
  • 条件の順番が適切でない
  • 後の条件が永遠に評価されない

条件は「厳しいものから順に」書くのが基本です。

また、条件が増えすぎた場合は、無理にネストを深くせず、別の関数(IFSなど)を検討するのも一つの考え方です。

次の章では、実務でよく使われるIF関数の具体例を見ていきましょう。

実務でよく使われるIF関数の具体例

ここからは、IF関数が実際の業務でどのように使われているのかを、具体的なケースを通して見ていきます。

構文や仕組みを理解していても、「実務でどう当てはめるか」が分からないと、使えるようにはなりません。 この章では、そのギャップを埋めていきましょう。

判定結果に応じて表示内容を変える

実務で非常によく使われるのが、条件に応じて表示内容を切り替える使い方です。

たとえば、セルA1の売上金額が10,000円以上であれば「達成」、それ未満なら「未達成」と表示したい場合は、次のように書けます。

=IF(A1>=10000,"達成","未達成")

この形は、目標管理表や進捗管理表などで頻繁に使われます。

数値を変更するだけで表示が自動更新されるため、人の判断を挟まずに状態を可視化できるのが大きなメリットです。

評価・ランク分けに使うIF関数

点数や金額に応じて、評価やランクを分けたい場面も多いですよね。

たとえば、売上金額に応じてランクを3段階に分けたい場合は、次のように書けます。

=IF(A1>=100000,"Sランク",IF(A1>=50000,"Aランク","Bランク"))

このような評価判定では、条件の順番が非常に重要です。

必ず「最も厳しい条件」から順に書くことで、意図しない判定を防ぐことができます。

エラーや例外を避けるための書き方

IF関数を使っていると、想定外の値が入ったときにエラーが表示されることがあります。

たとえば、割り算を含む数式では、分母が0になるとエラーが発生します。

こうした場合は、IF関数で事前に条件をチェックすることで、エラーを回避できます。

=IF(B1=0,"未計算",A1/B1)

この式は、「B1が0なら『未計算』、そうでなければ割り算を行う」という意味です。

エラーが出てから対処するのではなく、エラーを出さない設計を意識すると、実務での信頼性が大きく高まります。

次の章では、IF関数がうまく動かないときに確認すべきポイントを整理します。

IF関数がうまく動かない原因と対処法

IF関数は便利な反面、「式は合っているはずなのに、思った結果にならない」というトラブルも起こりがちです。

ここでは、よくある原因と、その対処法を整理しておきましょう。

思った結果にならないときの確認ポイント

まず確認したいのは、条件式が本当に意図どおり書けているかという点です。

  • 比較対象のセルは正しいか
  • 「以上」「未満」の境界がずれていないか
  • 文字列を判定する場合、全角・半角が混ざっていないか

とくに、文字列を条件に使う場合は、必ずダブルクォーテーション(”)で囲む必要があります。

=IF(A1="完了","OK","未完了")

これを忘れると、正しく判定されません。

条件式の書き間違いで多いミス

初心者の方がよくやってしまうミスに、次のようなものがあります。

  • = と == を混同する(Excelでは == は使わない)
  • >= と > の使い分けを誤る
  • AND/OR の位置を間違える

IF関数では、条件式がすべての土台になります。 結果がおかしいときは、まず条件部分を疑ってみてください。

IFERROR関数との使い分け

エラー処理をしたい場合、IF関数だけで対応しようとすると、式が複雑になりがちです。

そのようなときは、IFERROR関数を使うと、式をすっきり書けます。

=IFERROR(A1/B1,"エラー")

この式は、「計算結果がエラーになった場合は『エラー』と表示する」という意味です。

条件判定はIF関数、エラー処理はIFERROR関数と役割を分けることで、数式の可読性が大きく向上します。

IF関数を使いこなすための考え方まとめ

IF関数は、Excelの中でも非常に使用頻度が高く、理解できるかどうかで作業効率が大きく変わる関数です。

IF関数は「文章」で考えるのがコツ

IF関数が苦手な方の多くは、最初から数式として理解しようとしています。

そうではなく、

「もし〇〇なら△△、そうでなければ□□」

という文章を先に作ることで、条件分岐は一気に分かりやすくなります。

複雑になったときの整理方法

条件が増えて式が長くなった場合は、次のポイントを意識してみてください。

  • 条件を日本語で書き出す
  • 最も厳しい条件から順に並べる
  • 必要以上にネストを深くしない

この考え方を身につけておけば、IF関数だけでなく、他の条件系関数も理解しやすくなります。

IF関数は暗記するものではなく、考え方を身につけるものです。 今回の内容を参考に、ぜひ実務で活用してみてください。

IF関数に関するよくある質問(FAQ)

IF関数は何個まで条件を入れられますか?

Excelの仕様上、IF関数のネスト(入れ子)は最大64個まで可能です。

ただし、実務では3〜5個程度が限界と考えたほうがよいでしょう。 それ以上になる場合は、IFS関数や、別セルでの判定に分けるほうが、保守性が高くなります。

IF関数とIFS関数はどう使い分ければいいですか?

条件が2つだけであれば、IF関数で十分です。

一方、複数条件を順番に判定する場合は、IFS関数のほうが式が読みやすくなります。

ただし、IFS関数はExcelの比較的新しい関数のため、古いバージョンを使う環境では注意が必要ですね。

IF関数が重くなることはありますか?

大量のセルで複雑なIF関数を使うと、再計算に時間がかかることがあります。

その場合は、

  • 条件を事前に別セルで判定する
  • 不要なネストを減らす
  • IFERRORやIFSなど適切な関数に分ける

といった工夫で、パフォーマンスを改善できます。

まとめ|IF関数は「条件を整理する力」がすべて

IF関数は、Excelの中でも特に使用頻度が高く、理解度がそのまま作業効率に直結する関数です。

一方で、「難しい」「ごちゃごちゃして分からなくなる」と感じる方が多いのも事実ですよね。

その原因の多くは、関数そのものではなく、条件の整理ができていないことにあります。

今回の記事で解説してきたように、IF関数を使いこなすためには、

  • 条件を文章で考える
  • 最も厳しい条件から順に並べる
  • 無理に1つの式に詰め込まない

といった考え方が非常に重要です。

また、エラー処理や複数条件の判定では、IFERRORやIFSなど、適切な関数と役割分担することで、数式は一気に読みやすくなります。

IF関数は暗記するものではなく、「条件を設計する力」を鍛えるための関数です。

まずはシンプルな条件から使い始め、少しずつ実務に落とし込んでみてください。 使えば使うほど、Excel全体の理解も深まっていきますよ。

       
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